2012年3月12日月曜日

夢幻∞大のドリーミングメディア: バーチャル

グーグルに提案したSecond Earthとbrain library

 グーグルも仮想現実の世界を発表した。しかし、まるでSecond Lifeの二番煎じ、あまりにもグーグルらしくない。ぼくは、グーグルに対して、二つの提案をした。どれも、グーグル得意の膨大な情報を駆使した、世界初の画期的なサービスである。

一つは、Second Earth

Second Earth (もしGoogleが発売するとすれば)

(1) 「Second Earth」はGoogle Earthのデータを活用し、そこに46億年の地球の歴史をシミュレーションすることができる。
(2) 「Second Earth」にはタイムマシンがついていて、好きな時代、好きな場所に行ける。
(3) 「Second Earth」は、地球の歴史を変えることができる。たとえば、人間が登場しない地球。恐竜が絶滅しない地球。コロンブスがアメリカ大陸を発見できなかった地球。
(4) 「Second Earth」ではユーザーは神になることができる。

もう一つは、brain library

グーグルライブラリーに目指して欲しい「brain library」

それほど世界中のありとあらゆるデータに興味があるなら、僕はその膨大なデータによってグーグルが作り上げて欲しいのは、ひとつは「Second Earth(もしGoogleが発売するとすれば) 」、そしてもうひとつは究極の図書館、「brain library」である。

別に脳髄が陳列してあるわけではない。それは僕のひとつの夢だが、過去の著名人の脳の記憶を知りたいと思ったのだ。もちろん、それは不可能かもしれない。たとえば、天才ダ・ヴィンチの目にしたものとか、宮沢賢治が花巻で見た光景とか、学術的ではなく、彼らの人生を映像として体験したい、どう感じたかを感覚的に知りたいというライブラリー「頭脳図書館brain library」があれば、いつでもその時代に戻ることができるし、その感覚を共有することができる。

 インターネットでデータを集めることは、究極は人間とは何かを知ることである。そして、それが人間の感覚に近ければ近いほど、世界中の人と共有できるのではないだろうか。

もちろん、この二つのアイデア、いくらグーグルでも、膨大な努力と金が必要なことは承知の上である。しかし、こんなSecond Lifeのような「Lively」のようなものではないはずだ。

Second LifeとLivelyの違い

 まず、Second Lifeとは何だったのかをおさらいしてみよう。それは、Second Life"不"人気、7つの理由にあるように、


どのように私はゴルフボールの長いストレートをヒットしない

(1)始めるまでの手続きが面倒
(2)要求PCスペックが高い
(3)操作が難しすぎる
(4)何をしていいか分からない
(5)何をするにもお金がいる
(6)右も左も広告だらけ
(7)人気の場所はエロかギャンブル(Second Life"不"人気、7つの理由)

ということである。ぼくは、参加者はバーチャル世界ということで、ディズニーランドのようなエンターテイメントな世界を求めて行ったのだと思う。いわばお客様が楽しむための作られた世界である。ところが、実は、そんな世界はまだ出来上がっていず、これから街づくり、国づくりから始めるんですよと何にもないガラーンとした世界につれられてしまった。確かに、じっくりと世界作りをしたいと思う時間とお金がある人には向いているかもしれない。しかし、時間やお金が限られた我々には、いささか荷が重いのではないか。サービスを期待していったのに、サービスする人は誰もいなかったのでがっかりということである。

Livelyはその点、どう改善しているだろうか。そこで、改めて記事を読んでみる。
グーグル、「Second Life」ライクな仮想世界「Lively」を発表

ただしGoogleは、Livelyがユーザーにとって「第2の人生」(second life)ではなく、「第1の人生」(first life)の一部になることを望んでいる。

(中略)

 Googleで同プロジェクトを担当するエンジニアリングマネージャー、Niniane Wang氏はこう述べている。「Livelyは、インターネットと統合されており、代替の目的地ではない。われわれの狙いは、Livelyをユーザーの現実の生活に追加することだ」(グーグル、「Second Life」ライクな仮想世界「Lively」を発表)

確かに、「Second Life」にくらべて、敷居は低そうだ。

Livelyがユーザーにとって「第2の人生」(second life)ではなく、「第1の人生」(first life)の一部になることを望んでいる。とはどういうことだろうか。しかも「Livelyは、インターネットと統合されており、代替の目的地ではない。われわれの狙いは、Livelyをユーザーの現実の生活に追加することだ」とは?

つまり、Second Lifeが全く別人として仮想現実世界で第二の人生を送るのに対して、現実生活に密接につながっているということである。

PLAYSTATION HOMEの悲願「ゲーム稼働率」

ここで思い出すのは、PLAYSTATION HOMEである。


ここで、マーガレット·アトウッドは今住んでいるんだろう?

PLAYSTATIONのHome(Japan)Project推進室 シニアプロデューサー 赤川良二氏が、3月にこんな講演をしている。(THE SECOND TIMES:【OGC2008レポート】プレイステーション3のバーチャルワールド「Home」、いよいよ始動!?)

「Home」について赤川氏はユーザーがバーチャルワールド内に「住む」ような概念をもつ「定住型」ではなく、「ゲートウェイ型」であるとした。

これは、例えばユーザー同士が「Home」内で出会って意気投合したら、(プレイステーションの代表的ゲームである)「グランツーリスモ」を「Home」内から立ち上げて一緒に遊ぶ、といったようにユーザーコミュニティとゲームをつなぐような形を指している。ただ、赤川氏は同時に「定住型を否定するわけではなく、Home内に定住する人もいるかもしれない」としており、型はあくまで基本スタンスの違いという意味であるようだ。

(中略)

こうしたゲートウェイの仕組みは以前から実現したいと願いつつも、PSやPS2で実現できなかった「ある種の『悲願』」(赤川氏)であったと話し、思い入れの強さをうかがわせた。

さてその「ある種の『悲願』」とは、4gamer-netではこう説明している。

 PLAYSTATION 3にとって,Homeとはなんだろうか? Homeは,これまでオンライン対応ゲームはあっても,総合的なロビーサービスを持たないため,「点」の集まりにすぎなかったゲーム群を,一つのロビーからそれぞれに接続できる「線」のトポロジーに変換していく存在だ。これはSCEの悲願であったという。XboxでいうところのXbox Live!の必要性は切実なものであったのだろう。(4gamer-net[OGC2008#11]「PLAYSTATION Home」日本での展開はどうなる)

なぜ、このようなバーチャル世界を築かなくてはいけないのか。そして、それは同時にグーグルが「Lively」を作った本当の原因でもあるはずである。

ぼくは、Wiiのネット配信「Wiiウェア」(ホームサーバの戦い・第12章) の中で、後藤弘茂氏の言葉を引用している。

 ゲーム機のアクティブ度の指標は、タイトルアタッチ率(ゲーム機1台当たり売れているゲームタイトル数)だ。Microsoftが3月10日に発表したリリースによると、WiiはXbox 360と対照的に、アタッチ率が高くない。Microsoftによると、ヨーロッパ地区のアタッチ率は、Xbox 360が7.0本に対して、PLAYSTATION 3(PS3)が3.8本、Wiiが3.5本という。ライバル側の示している数字ではあるが、Wiiのアタッチ率がXbox 360より低いこと自体は、ゲーム業界では周知の事実だ。


なぜ新しい歴史的な批判の理論が考案されました

 というのは、3社とも、今回はゲーム機の稼働時間を増やすことが、戦略の重要なポイントとなっているからだ。ゲームプレイ時間以外は電源を投入されず、ともすれば何カ月も起動されない、そういった従来ゲーム機の状況から脱することが、各ベンダーの共通した目標となっている。

Vのように、常に起動されるマシンになることが初期目標で、それが、次のより大きな戦略への足がかりとなる。そのため、今世代では、最も売れるゲーム機になるだけでなく、最も稼働するマシンにもならなければ、真の意味での勝者になれない。
(後藤弘茂のWeekly海外ニュース・WiiWareで非ゲームアプリを呼び込むWii新戦略)

 これはもちろんゲームの場合だが、やりたいゲームがなければ、スイッチを入れないというのではなく、常に、ゲームのスイッチを入れてほしいと思っている。そのためには、たとえば、Wiiがテレビチャンネルで、ニュースや天気予報をするのも、XboxやPS3がXbox Live!やHOMEでバーチャル世界で友人たちのコミュニケーションを応援するのも、ひたすらゲーム稼働率を増やすためである。


見えてきた「Lively」の理由

 グーグルのメイン事業は当然ながら検索である。ところが、検索時間はますます短くなっている。アドセンスやアドワースはほんの一瞬で見逃される。一方、LivelyやPlayStation  Homeなどのバーチャル世界では、友人たちのチャットなど長時間に滞在することができる。そして、広告も流すことも。ぼくは、「いよいよPS3がアップル、Googleに反撃。 (ホームサーバの戦い・第15章)」で、たまたまLife with PlayStationが地球の画像を使って、Google Earthと酷似していることを指摘したが、

Livelyの

 既存のインターネットとの統合は、いくつかの形式で提供される。ユーザーはまず、インターネット上のどこかに保管された写真や動画などのコンテンツに接続できる。また、既存のウェブページにLivelyのエリアを埋め込むことも可能で、Googleが作成したウィジェットを使ってMySpaceやFacebookのページに表示させたり、ブログに組み込んだりできる。また、通常のウェブアドレスをメールで送って、友人に参加を呼びかけることも可能だ。


 Livelyではユーザーが独自のオンラインスペースを設定でき、自分の部屋、牧草地、無人島、あるいは筆者がデモ版で試したようなシリコンバレーの仮想オフィスパークなどを利用できる。衣装やアバター(Second Lifeと無縁だった人のために一応説明しておくと、アバターとはオンライン世界でのユーザーの化身)のルックスも変えられる。もちろん、話すこともできるし、後方宙返りも、握手も、ハイタッチもできる。(グーグル、「Second Life」ライクな仮想世界「Lively」を発表)

という機能は、PlayStation Homeの、

「Home」内ではユーザーの皆様の好みに応じてカスタマイズした個性的なアバターを操作して、特定のゲームタイトル、イベントスペース、あるいは各ユーザーの皆様の固有空間となるプライベートスペースなどで構成される「Home」上の世界を、リアルタイムに自由に動き回ることができます。

アバターに加えて、カスタマイズ可能なプライベートスペースにおいても、家具や美術品などをユーザーの皆様のお好みに合わせてパーソナルに演出したり、スペース内でPS3のハードディスクドライブに保存されたユーザーの皆様が作成した個人の動画や写真などのデジタルコンテンツを公開したりと、それぞれのユーザーの皆様の個性を思うまま発揮することができます。

ここでは、従来のコミュニケーションの手段であった文字・音声・動画でのチャットに加えて、アバターの表情の変化や感情豊かなジェスチャー等により、より豊かな双方向のコミュニケーションが展開します。 (世代 3D オンライン・ユーザーコミュニティ「Home」今秋「プレイステーション 3」に向けサービス開始)

の機能にそっくりではないだろうか。グーグルは明らかに、セカンドライフよりも、PlayStation Homeを狙っている。



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